公務員も大変


前から読んでみたかったんだけど、なかなか読む機会のなかった本。県庁ではないけど自治体に勤めている身としては気になる一冊だった。

役人根性丸出しの県庁職員がスーパーに一年間派遣されて、そこで客商売、サービスというものを学んで県庁に帰っていくという話。

織田裕二と柴咲コウが主演して、映画化もされたけど、小説では柴咲コウらしき登場人物は出てこない。

まぁ、今時あんな公務員はいないだろう。役所は確かに、民間に比べればすごく楽だし、職員もみんながみんなやる気のない者ばかりではないけど、どうしようもないのもいる。でもそれって民間にもいるのでは?

どんな組織でもそういうもんだと思うんだけど...

県庁の星にもなれない自分が言っても説得力はないか。

人はちょっとしたきっかけで変わることができる
映画「県庁の星」を見た人が読むとちょっと「あれ?」って思うかも知れません。
初めて読む人は、頭は良いけど、マニュアルどおりしかできない主人公「野村」のことを理解してあげられるかがこの本の評価を大きく分けるところでしょう。

この本のよいところは、人はちょっとしたきっかけと思いやりややさしさで変わってゆけるというメッセージでしょう。他の方のレビューにもあるとおり、後半うまくいき過ぎですが、それはまあ横においておいても良い本だと思います。

主人公とパワーを分けあうパートのおばさん
野村聡。31歳。Y県庁初の一年間の民間人事交流研修対象者6名の一人に選ばれた期待のホープだ。命じられた民間企業は…県内地方都市のスーパー?えらくマイナーな感じがした。だがそのイヤな予感は現実のものとなる。 

そこで彼は‘県庁さん’と呼ばれ、「民間」と「役人」とのギャップに浮きまくり。「書類」「数字」がすべて、と認識していた彼だが、ベテランパートの二宮泰子をはじめ、店員たちと“衝突”、そして“指導”され、いつしか「人間」を意識するようになる。そして次第に自分の「居場所」を見つけ、不振のスーパーを立て直してゆく。まさに“役人意識構造改革ストーリー”である。

私はもっと軽い内容の本かと思っていたが、意外にシリアスで真面目かつ現実的な物語だった。

‘県庁さん’こと野村の視点と、パートの二宮の視点が交互に交錯してストーリーが進んでゆくが、特に私には、スーパーを実質的に仕切っていて‘裏店長’とさえ言われる二宮の「公」のシーン---野村とのやりとりや職場内でのさまざまな苦労---と、「私」生活のシーン---息子・学や別れた夫との関わり、俳句の会での出来事---のなかで語る彼女の言葉の一つ一つが味わい深く、印象に残った。野村よりも、むしろ彼女のほうが主役のような気さえした。

彼女の存在が、本書を単なるコメディータッチの軽い役人エンターテインメントで終わらせていない理由と言っても過言ではないだろう。

県庁の星
桂 望実

キャロウェイ
タグ:桂望実
posted by nana at 20:01 | 生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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