逃避行

恋愛を突き抜けている
遅ればせながら最近この本を読みました。
小池作品を読み出したのもつい最近で、
「恋」「望みは何と訊かれたら」に続いてこれが三作品目です。

この二人は男女なので恋愛の形を取っていますが、
恋愛を突き抜けた互いを思う純粋さを感じました。

きっとこの二人なら、親子や同性の友人としてめぐり合っても
互いに深く相手を思い真摯な関係を築いたのだろうな、と思います。

男女だからセックスもするけれど、
それは相手を思うあまりの表現のひとつ、といった感じで、
逆に肉欲とは反対のさらさらの乾いた印象を受けました。

社会的にも安定した地位があり、恵まれた環境にいるのに、
そういった相手に出会ってしまったからここまで行き着いた。
家族も周囲も自分もずたずたにせざるを得なかった。

正臣が、二人が若い頃に出会っていたら何事もなく結婚できて…と
思いをめぐらせるシーンがあるけれど、
40代のさまざまな経験を経た二人だったからこそ、
ダブル不倫以上の意味がある関係に行き着けたんじゃないかと感じました。

そういった意味では非常に大人向けの小説だと思いました。

少し物足りなかったです!
一番好きな作家、小池真理子さんの長編小説

購入したものの、かなりの長編故ずっと手元に置きつつ、やっと読破出来ました。

内容は一言で言ってしまえばW不倫
女優・高木志摩子(48)と、作家・奥平正臣(43)それぞれに家庭を持ちながら、終わりにする事が出来ない愛の物語。

読み進めながら頭の中では渡辺淳一氏の失楽園が浮かんでは消え…

小池真理子ならではの文体の美しさや何とも言えない表現が随所に散りばめられているのですが何故か面白みがない…ともすれば途中で飽きてしまいそうになりながらラストまで行きました。

以前の様な心が揺さぶられる感やインパクトのなさがその原因なのかな…

それでもきっとこれからも小池作品は買ってしまうんだろうな。

これぞ小池真理子!
一言で「不倫」と言えばあまりに空しい。愛を貫くといえばきれいごと過ぎる。
家庭を持った40代の男女が何も見えなくなるほど、いや、冷静に見えてはいるが、愛してしまったお互いの存在が大きすぎて、結果的に何も見えていない状況と変わらなくなる。
愛する気持ちに年齢はあまり関係ないかもしれないが、社会的に評価されている大人でも、人を愛する気持ちは変わらず、多くの常識や理性を兼ね備えていても、それらを全て捨て去るほどの恋愛を描きたかったのだと思う。
しかし、どんな恋愛でも結果は予想される2つ。別れるか別れないか。
社会に背を向け、多くの非難と中傷を受け、家族を苦しみの底に追いやり、決して安らぎの場所はない。
逃避行としてつかの間2人だけで過ごす中国大陸の自然の雄大さと、ゆっくり流れる時間が現実を忘れさせる。
しかし、決して生きている以上、現実から逃れることはできない。
男と女は予想外の展開には発展しないけれど、作品としては完成された作品。
長編であるが一気に読ませてくれる。大人の男と女を描かせたら小池真理子はさすがとしか言いようがない。

虹の彼方 (集英社文庫)
小池 真理子

マニキュア
posted by nana at 17:35 | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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